ソーダライト(マグネシウム含有)
大塚コレクション(レアストーン・天然石)
ソーダライト(マグネシウム含有)アフガニスタン産
Sodalite(方曹達石/ほうソーダせき) Na8Al6Si6O24Cl2
ソーダライトは、準長石の一種で、ラピスラズリを構成する鉱物の一つでもあり、方ソーダ石グループの鉱物です。1806年、グリーンランドで発見され、含有するナトリウム量が多いので、英語でナトリウムを意味する「sodium」から名付けられました。
カナダでは、1891年に英国王室2名が訪問した際にオンタリオ州で発見されたことから、ソーダライトは「プリンセスブルー」と呼ばれることもあります。
通常、ダークブルー~バイオレットブルーにしばしばホワイト脈のある半透明~不透明の状態で産出されるものが多く、色相がそっくりですのでラピスの代用品として用いられることがあります。ただしソーダライトにはパイライト(黄鉄鉱)のインクルージョンがありません。主な産地はアフガニスタン、ブラジル、グリーンランド、カナダ、アメリカのメイン州、アーカンソー州などです。
ソーダライトは不透明宝石というイメージが強いですが、希に半透明や無色透明のファセットカットされた物が流通します。このような綺麗なブルーの透明ソーダライトはファセット加工され極めて希少です。
ソーダライトはブルーが一般的ですが、グレー、グリーン、イエロー、ピンク、ホワイト、ラベンダー色などもあります。またソーダライトは、紫外線の下ではオレンジ色の蛍光を発することがあります。変種にはtenebrescence(*注1)のあるレアストーンのハックマナイトがあります。
『Gems & Gemology』(spring/2009)によると、2003年頃までは低品質なものが多かったが、それ以降はアフガニスタン産やミャンマー産には高品質の極めて透明度の高いものが産出されたとあります。またアフガニスタン産の宝石はミャンマー産に比べ蛍光や燐光が強いという特徴があるようです。
この宝石は所有者の大塚氏がツーソンで信頼のおける業者から購入する際に、ソーダライトにマグネシウムが含有している珍しいものがあるといわれ入手したものです(ただし成分分析は行っていません)。
*注1:特定の波長の光(紫外線、ホワイトライトなど)を当てたり外したりすると色が変わる能力のこと
※参考資料『Gems & Gemology』(spring/2009)
・鉱物名:天然ソーダライト
・宝石名:ソーダライト
・キャラット:0.581ct
・サイズ:H6.66mm×W5.18mm×D3.66mm
・硬度:5-6
・産地:アフガニスタンとの記述あり
・蛍光:長波・・オレンジ(strong)、短波・・オレンジィピンク(weak)
※宝石鑑別ソーティング(AGTジェムラボラトリー)付き
※取り扱い上の注意
◎超音波洗浄:不可
◎スチーマー:危険
◎ぬるめの石けん水:安全
2022年5月25日加筆訂正
動画でもご覧いただけます(音声が流れますのでご注意ください)